2024/07/31 17:56
少ないもので暮らす「ミニマリズム」が脚光を浴びるなか、「私服の制服化」といった、最小限の服を着まわすスタイルを実践する人たちが増えてきています。 その究極の例として、毎日同じTシャツを何年も着続けている人たちをご紹介します。(一枚のTシャツを毎日着るのではなく、同じTシャツを何枚も持っていて、「毎日が同じ服装」な人たちのことです。)
きっかけはミニマリズム。徹底的に着ない服を手放した結果、残ったのはTシャツ数枚とジーンズだけでした。その中でも毎朝同じTシャツを手に取ることに気づき、「これと同じTシャツが10枚あれば、毎日お気に入りの服装でいられるな」と思ったそうです。
毎日同じ服を着ると決めてしまえば、一日の中の決断事項が一つ減ります。「決断疲れ」から解放されたとMattさんは言います。
決断事項が多くなるほど、決断の質が下がるという研究結果があります。決断の数を減らすことで、結果的に良い選択ができるのです。
「毎日お気に入りの服を着ていると気分が良い。これは自分に似合うのか、コーディネイトはおかしくないか、と悩む必要もなく、私は今とても幸せで満ち足りています。」
いやいや、この人は自宅勤務だからできたのでしょう?会社員や女性には無理だよね。そう思った方も多いと思います。
Lefieさんは、オフィスで働く女性ですが、同じ黒のTシャツ8枚をローテーションして出勤することをなんと1000日も続けています。

きっかけはMattさんと同じ。毎朝同じTシャツを手に取る自分に気づき、「これと同じものがあと7枚あればどんなに楽か」と思ったそうです。ちょうど職場を変わったタイミングで、「これが私の標準装備」と周囲に知らしめるには絶好の機会でした。
毎日同じTシャツを着続けるメリットはやはり、「決断疲れから解放されること」だとLefieさんも言います。
「私の服の選択について、他人がどう思おうが構わない。それに、私にとって大切な人は、私が毎日同じものを着ていようが気にしないわ。」
「私には、服装よりもずっと大切なことがある。自分の価値観は他人に決められるべきではない。自分が何に価値を置くかを主体的に決めて、自分の価値観に沿った生き方をすることが何よりも大切なこと。」
いつも同じ服といえば、スティーブ・ジョブズの黒のタートルネックや、マーク・ザッカーバーグのグレーのTシャツが有名ですね。
同じ服を着ると決めてしまえば、何を着ようかと悩む時間をもっと有益なことに使える。しかも、この服が自分の「アイコン」になる。成功している人たちが同じ服を着るのには、こういった理由があるようです。
毎日全く同じ服装をするのは非現実的だけれど、自分のスタイルを決めるだけでも服の数は減らせます。服の数が減れば、日々の「決断疲れ」が減り、生活の質が高まります。自分にできるところから試してみたいものです。